- マーケティングという言葉の定義を知りたい
- マーケティングって横文字が難しいからかんたんに知りたい
このページではマーケティングとは何か、意味や定義をまとめていきます。
筆者(ブログ管理人)ですが、マーケティングの職種に転職をしてしばらく時間が経ちました。
そのため、振り返りの意味も込めて、まとめていきたいと思います。
マーケティングとは何か?意味や定義
マーケティングとは・・・売れ続ける仕組みを作ること
具体的に表現すると、「特別なセールスをしなくても、顧客が喜んで商品を購入する状態を作ること」と考えます。ただこれが、一回購入されるだけで終わりでなく、顧客が納得して購入し、その後の満足度も高く、長年に渡ってその商品を使い続けるorリピート購入するというのがゴールだと思います。
本当はもっとその先の効果も挙げればキリがないのですが、一旦はこんな感じなのかなと思います。
これはどういうことか。
手段ベースで言語化すると、顧客のニーズにマッチした製品を創造し、価値を伝えて、お届けすることかなと思います。
お客さんが「うわ!これめっちゃ欲しかったんだよね、作ってくれてありがとう!」というような製品を作り、これはすごいよい製品なんだよと伝えて、お客様が求めていたことを実現することですね。
マーケティングとは、思いやりだ。という考え方
よくマーケティングとは何か?を語られる際に、たまに言われているのが「思いやり」です。これはどういうことなのか。
結局のところ、「自社の製品がなぜ売れるのか」という点を考えた際に、言えることが「顧客のニーズを解決するから」です。お客さんは自分が悩んでいることの解消であったり、望んでいることの実現であったりをするために商品を買います。
こういった点に着目する。つまり、お客さんって本質的に何を望んでいるのかを思いやること。それを解決するための機能を製品に盛り込んだり買ってくれるような体制を整えたりします。単に自社の売上を伸ばそうと無理矢理に売り込むのはマーケティングではないです。
さらにもっと突き詰めるには、お客様になりきることが大切です。お客様を自分に憑依させて考えることが大事。
思いやりと書きましたが、それは自分目線でお客様にどうアクションするかという話です。それをさらに突き詰めたのがお客様を自分に憑依させるつもりで考えること。お客様だったら、どういう判断をするかな。この製品を買う際にどんなこと思うかな?また買って使った際にどんなこと思うかな?という点を考えることです。これが大切。
自分でその商品を買ってみてお客様になってみること
実際に一般消費者向けのサービスを扱おうとしているなら、自分でその商品を買ってみること。自分でお金を出して体験をしてみることで、お客様になれますし、マーケティング的な気づきを得られます。その製品のファンに自分もなってみることで、どうしたらもっと楽しめるかなどがわかるハズです。
あのUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)をV字回復させた森岡毅さんは、USJとモンハンのコラボをする際に、モンハンをめちゃめちゃコラボしたみたいな話もありましたね。
お客様の抱える問題・ニーズ起点で考える、またベネフィットで考える
製品を企画する際に、他社より優れた製品を作ろう!と考えるかもしれません。では、それってどんな機能を追加するのか?とか、どんな差別化をするのかという話になりますよね。
例えば、製品を軽量化したとしましょう。この際に①軽量化したから⇒②お客様は持ち運びが楽になれるだろう。みたいに考えるかもしれません。これはまぁ惜しいと思います。というのも主従が逆なんです。(とても細かい話かもしれませんが、、)
お客様目線で考えてみること。例えば、自分がその製品を買ってみて、①少し重いな(問題)⇒②もっと軽かったら、楽に持ち運べるのにな(ニーズ)③その製品の重量のギャップ(課題・改善点)④軽量化(解決策)⑤楽に持ち運べる!(ベネフィット)という感じで、どんなことが喜ばれるのかを考えて、製品やサービスを考えることが大事だと考えています。
(※優れた技術起点で製品を開発する考え方もありますが、最終的にはそれもお客様のベネフィットにつながりますし、結局はお客様が何を求めているのか、どうしたら満足を届けられるのかという点にかかっていると思います。)
アメリカ・マーケティング協会の定義
原文: “Marketing is the activity, set of institutions, and processes for creating, communicating, delivering, and exchanging offerings that have value for customers, clients, partners, and society at large.”
和訳: 「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、そして社会全体にとって価値のある提供物を創造し、伝達し、届け、交換するための活動、一連の制度、およびプロセスである」
マーケティングって、いろんな定義があってややこしいですよね。でも、アメリカ・マーケティング協会(AMA)が示した定義は、今でも多くの教科書やビジネスの現場で参考にされている重要なものなんです。
特に面白いのは、「顧客だけじゃなくて、社会全体に価値を提供する」って考え方。最近のSDGsやサステナビリティの流れを見ていると、この定義って本当に先見性があったなって感じます。
私も現場で仕事をしていると、本当にその通りだなって実感することが多いです。単に商品やサービスを売るだけじゃなくて、お客様や社会にとって本当に価値のあるものを届けることが、結果的に長期的な成功につながるんですよね。
面白いことに、マーケティングの定義って時代とともに進化してきているんです。例えば、1960年のAMAの定義では、
“Marketing is the performance of business activities that direct the flow of goods and services from producer to consumer or user.” (マーケティングとは、生産者から消費者やユーザーへと商品やサービスの流れを方向付ける事業活動の遂行である)
当時は「モノを作って消費者に届ける」という一方通行の考え方が主流でした。でも、2017年の最新定義では、上記で紹介したように「社会全体への価値提供」や「相互交換」という概念が入ってきています。
これって、ビジネスを取り巻く環境の変化そのものを表していますよね。私たちマーケターの役割も、単なる「売る」から「価値を共創する」へと大きく変わってきているんです。
マーケティングの基本
さて、「マーケティングは売れる仕組みを作ることだ。」と解説をしましたが、具体的にどんなことをするのか。その基本的なことをまとめていこうと思います。
マーケティングには、市場調査、製品・価格・流通・プロモーションの4つの要素管理、そしてターゲティングの3つの基本的な考え方があります。
これらの要素を理解し、適切に組み合わせることで、効果的なマーケティング活動を展開できるのです。
市場調査 – 顧客ニーズを把握する
顧客のニーズや課題を把握することがマーケティングの出発点です。ニーズというのは、求めているもの・欲求という意味です。世の中にはいろいろなニーズがありますね。
市場調査を通じて、どのような顧客に製品やサービスを提供すべきか、どのような特徴を持つ製品が望まれているかを明らかにします
調査方法にはアンケート、インタビュー、観察などがあり、定量的・定性的(数字にできる部分とできない部分)なデータを収集することが重要です。
4Ps – 製品、価格、流通、プロモーションの4つの要素
マーケティングの4つの要素として、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)があります。
これらを適切に組み合わせ、バランスよく管理することが重要です。
製品の機能や品質、価格設定の妥当性、販売チャネルの選定、広告やキャンペーンの効果的な実施などが含まれます。
ターゲティング – 狙うべき顧客層を明確にする
多様な顧客ニーズの中から、自社が最も効果的にアプローチできる目標顧客層を選定することがターゲティングです。
ターゲティングを明確にすることで、マーケティング施策の効率性が高まります。
人口統計的特性、ライフスタイル、購買行動などから、ターゲット顧客を詳細に分析・設定します。
マーケティングの実際:仕事って何をやるの?
結論:多岐に渡ります。
と、いきなり書いても困りますよね。でも、本当に多岐に渡ります。それは、マーケティング活動が他の領域を密接に関わっているため踏み込んで理解する必要がありますし、ときにはこんなこともやるのか?ということもやります。
しかしながら、一般的にマーケティングの中心になる業務というのがいくつかあるので、以下で紹介していきます。
1. 市場分析
市場規模や成長率、競合状況、業界動向などを把握し、自社の強みや弱みを分析します。SWOT分析やポーター五つの力分析などの手法を使って、市場の魅力度と自社の競争優位性を検討します。
2.顧客分析
ターゲット顧客の属性、ニーズ、購買行動、支持理由などを詳細に分析します。ペルソナ分析を活用し、より具体的な顧客像を描き出すことで、効果的なマーケティング施策につなげることができます。
3. 製品・サービス開発
市場調査の結果を踏まえ、顧客ニーズに合致した製品やサービスを開発します。開発段階では、さらなる顧客フィードバックを得ながら、製品を改善・洗練させていきます。
4.価格設定
製品やサービスの価格は、市場動向、競合状況、原価計算、顧客の支払意欲などを総合的に勘案して決定します。価格は製品の価値を表す重要な要素のため、慎重に検討する必要があります。
5.販売促進
広告、プロモーション、販売促進活動などを通じて、製品やブランドの認知向上を図ります。オンライン広告やSNS活用など、時代に合った効果的な手法を選択することが重要です。
マーケティングの重要性
マーケティングは企業にとって非常に重要な活動です。その主な理由は以下の通りです。
4-1. 売上や利益の向上につながる
マーケティングを行うことで、製品やサービスの知名度が上がり、新しい顧客を見つけることができます。
また、顧客のニーズに合った商品を提供することで、売上や利益を増やすことができます。つまり、マーケティングは企業の収益を高める役割を果たします。
4-2. 顧客満足度を高める
マーケティングの中核にあるのは、顧客の潜在的なニーズを把握し、それに応える商品・サービスを提供することです。
このプロセスを通じて、顧客の期待に応え、満足度を高めることができます。顧客満足の向上は、ロイヤルティ(愛着)の醸成や口コミ効果の創出につながり、企業の持続的な成長に寄与します。
4-3. 競争優位を確立する
マーケティングにより、市場動向や競合他社の情報を収集し、自社の強みや弱みを把握することができます。
この分析に基づき、差別化された製品・サービスの開発や、効果的な販促活動を行うことで、競争優位を確立することが可能になります。競争力の向上は、企業の収益性と市場シェアの向上につながります。
マーケティング戦略の立て方
マーケティング戦略を立てるためには、以下の3つのステップが重要です。
1-1. 目標設定
まず、売上目標や顧客数などの数値目標を立てます。これらの目標は具体的で、達成可能なものが望ましいでしょう。例えば、「1年以内に売上を20%増加させる」や「新規顧客を月間100人獲得する」といった具合です。
1-2. 具体的な施策の検討
次に、目標達成に向けた具体的な施策を検討します。販促活動、広告、イベントの実施、SNSの活用など、様々な手段を組み合わせて検討しましょう。また、予算やリソースの確保も重要です。
1-3. 結果の測定と改善
施策を実行したら、その効果を測定・分析します。目標に対する進捗状況を確認し、目標達成に向けて改善点を見つけていきます。定期的に計測と改善を繰り返し、最適なマーケティング活動を見つけていくことが大切です。
さまざまな◯◯マーケティング
世の中にはいろいろなマーケティングがあります。(結構、施策にマーケティングとつけ呼ぶ場合もあります)
ここでは代表的な◯◯マーケティングを例に挙げて、どんな意味を持つのかをまとめてみました。
- デジタルマーケティング
インターネットやデジタル技術を活用したマーケティング手法の総称で、広範なチャネルを通じて顧客と接触します。 - コンテンツマーケティング
有益なコンテンツを提供することで、顧客の関心を引き、関係を構築する手法です。 - ソーシャルメディアマーケティング
SNSプラットフォームを利用してブランドの認知度を高め、顧客とのエンゲージメントを促進します。 - メールマーケティング
顧客に直接メールを送信し、情報提供やプロモーションを行う手法です。 - 検索エンジンマーケティング(SEM)
検索エンジンを利用した広告やSEOを通じて、ウェブサイトへのトラフィックを増加させる手法です。 - アフィリエイトマーケティング
他のサイトや個人が自社の商品を紹介し、成果に応じて報酬を支払う仕組みです。 - インフルエンサーマーケティング
影響力のある人物を通じて商品やサービスを宣伝し、ブランドの信頼性を高めます。 - モバイルマーケティング
スマートフォンやタブレットを対象としたマーケティング手法で、アプリやモバイル広告を利用します。 - ダイレクトマーケティング
顧客に直接アプローチし、反応を促す手法で、電話や郵送などが含まれます。 - インバウンドマーケティング
顧客が自ら情報を探し、関心を持つように仕向ける手法で、コンテンツやSEOが重要な役割を果たします。
これらの手法は、現代のマーケティング戦略において重要な役割を果たしています。
まとめ
マーケティングとは、顧客のニーズを捉え、製品やサービスを開発・提供することで、顧客の満足を得て、企業の利益につなげていくプロセスです。単に売上を上げることだけが目的ではなく、顧客視点に立ち、顧客に価値を提供し続けることが重要です。
そのためには、市場の動向や競合他社の情報収集、さらには顧客の行動分析など、様々な取り組みが必要になります。これらのデータを分析し、顧客に適した製品・サービスを企画・提供していく。そしてその効果を測定し、継続的な改善を重ねていくことが、マーケティングの本質となるのです。
企業が持続的に成長していくためには、このようなマーケティング活動が不可欠です。顧客価値の創造と企業利益の獲得を両立させるマーケティング戦略の立案が、今後ますます重要になるでしょう。
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