Googleスプレッドシートで集計をする際に、”特定の文字列がある”ものをカウントしたいとき。そんなときは、ワイルドカードを使ってみましょう。
よくある悩みとしては、カウントイフやサムイフなどの関数で、カウントしたいときが挙げられます。
〇〇に一致するものをカウントする場合は、”任意の文字”というような感じで条件を記載するでしょう。しかし、これは完全に一致するものだけをカウントします。
では、どうやって部分的に一致するものを集計するのか。そこでワイルドカードの登場です。以下でワイルドカードを使って集計する方法を解説します。
Googleスプレッドシートのワイルドカードとは?【前提】
そもそもワイルドカードというのは、トランプなどで他のカードの代用になるカードのことを指します。例えば、大富豪なんかでジョーカーを使って、2枚出しとかをしたりしますよね。要は足りない部分を補うという感じです。
関数の検索条件に使う際にも、その足りない部分を補う、曖昧なところを補完するという感じでワイルドカードという仕組みを使うことができます。
例えば、スプレッドシートのセルに多様な英単語が入っており、その中から、whyやwhenとかwhereなどのwhの文字列を抽出してカウントしたいとします。
そうなった場合は、wh*という条件で検索します。この*←アスタリスクが代替となるような表記の部分で、ワイルドカードというわけです。
詳しくは記事の下部で解説していきますが、wh◯◯◯を検索してくれ、という感じで後ろの部分は曖昧だけど検索したい場合は、ワイルドカードで補って検索をするというわけですね。
Googleスプレッドシートのワイルドカードの使い時【ケーススタディ】
【今回の要件】
大量の飲料データベースの中から、名称の最後に「茶」がつく飲料を効率的に抽出したい。
状況説明:
あなたは大手飲料メーカーのマーケティング部門で働いています。会社が扱う数百種類の飲料製品の中から、お茶関連の製品だけをリストアップする必要が出てきました。これは新しいお茶キャンペーンの準備のためです。なお、ここではお茶には、すべて茶という感じが入っていることが事前に分かり、その認識で集計するものとします。
データベースには以下のような多様な飲料が含まれています:
- 緑茶、煎茶、玄米茶などの日本茶
- ウーロン茶、紅茶などの外国産のお茶
- コーヒー、炭酸飲料、果汁飲料など、お茶以外の飲料
- ミルクティー、レモンティーなどのお茶をベースにしたフレーバー飲料
この状況で、お茶関連の製品を漏れなく、かつ効率的に抽出する方法が必要とされています。ここで役立つのが、Googleスプレッドシートのワイルドカード機能です。
ワイルドカードで抽出するには
次に、このワイルドカード機能を使って、どのように効率的にお茶製品を抽出できるかを説明していきます。
まず、以下のような飲料のリストがあると仮定しましょう:
- 緑茶
- ウーロン茶
- コーヒー
- オレンジジュース
- ほうじ茶
- 麦茶
- コーラ
- 紅茶
- ミルクティー
- レモネード
- ジャスミン茶
- アップルジュース
このリストから、文字列の最後に「茶」が含まれる飲料を抽出したいとします。ここでワイルドカードが役立ちます。
ワイルドカードを使用した検索パターン:「*茶」
このパターンを使うと、以下の結果が得られます:
- 緑茶
- ウーロン茶
- ほうじ茶
- 麦茶
- 紅茶
- ジャスミン茶
「*茶」というパターンは、「茶」で終わるすべての飲料を抽出します。
(ワイルドカードのアスタリスク部分は、「何かは決まっていないけど」とか「◯◯茶」というような意味合いで考えれば良いと思います。普通のカウントイフの表記だと”茶”になり、”茶”を条件とする。ですが、ワイルドカードで”*茶”だと⇒〇〇茶を調べてという意味ですね。
これにより、コーヒーやジュース類は除外され、お茶の種類のみが抽出されました。ただし、「ミルクティー」は「茶」ではなく「ティー」で終わるため、このパターンでは抽出されません。
Googleスプレッドシートでワイルドカードを使ってみよう【画像付き】
以下には、スプレッドシートと、飲料の名称が記載された表があります。この中から茶が付く飲料だけを抽出したい。
そこで、countif(カウントイフ)+ワイルドカードを使いましょう。
カウントイフというのは、条件と一致するデータを集計する関数ですね。例えば、緑茶だけをカウントしたい場合は、カウントイフで緑茶を検索して抽出しますね。しかし、今回は茶と付くものを抽出したい、つまり抽出対象が一種類でない。このような場合は、ワイルドカードを使うわけです。
=COUNTIF(範囲,"*茶")
このような感じでカウントイフにワイルドカードを組み込んで抽出をします。すると、茶が末尾に付くセルをカウントしてくれます
6という数値が抽出されました。答え合わせで、目視確認をしてみましょう。
目視確認で塗りつぶしてみました。はい、6こですね。なのであっていると思います。
今回はCOUNTIFとワイルドカードの事例ですが、SUMIF(条件に合致する項目と同行の数値を合算する)もできますよ。
ワイルドカードの表記方法はいろいろある【活用パターン】
ワイルドカードを使った表記方法は、いろいろありますよ。
上記のケーススタディでは、アスタリスクを前に設置して、後ろだけを茶としてた「後方一致(うしろだけ一致している)」という検索条件にしましたが、それを前にしたり、真ん中にしたりできます。
パターン | 表記例 | 説明 | マッチする例 | マッチしない例 |
---|---|---|---|---|
前方一致 | コーヒー* | 「コーヒー」で始まる飲料名 | コーヒーラテ、コーヒーフラッペ | アイスコーヒー、ブラックコーヒー |
後方一致 | *ティー | 「ティー」で終わる飲料名 | ミルクティー、レモンティー | ティーカップ、紅茶 |
部分一致 | *ジュース* | 「ジュース」を含む飲料名 | オレンジジュース、ジュースバー | フルーツ、オレンジ |
複数文字の置換 | カフェ*ラテ | 「カフェ」で始まり「ラテ」で終わる飲料名 | カフェラテ、カフェモカラテ | ラテアート、アイスラテ |
仕事でいろいろなものを集計する際は、場合によって関数の書き方が変わってくることがありますし、覚えておいて損はなさそうです。
例えば、Webマーケティングなどではキーワードを抽出して分析する際には有用です。そのほか、顧客のインタビューかなんかで特定のキーワードを抽出するというシーンにも役立ちそうですね。
ワイルドカードとして使う記号はいくつかある
ワイルドカードとして使用できる記号はいくつかあります。(とはいってもスプレッドシートは主に「?」と「*」の2つかもです。いろいろなエクセルで使える記号を試してみましたが、反応しなかった…)
これらの記号は、検索やパターンマッチングにおいて異なる役割を果たします。以下の表は、一般的に使用されるワイルドカード記号とその意味をまとめたものです。
記号 | 意味 |
---|---|
* | 0個以上の任意の文字列にマッチ |
? | 任意の1文字にマッチ |
例えば、以下は?を使った表記。?茶。この場合は任意の一文字とします。
わかりやすいように筆者がピンクに塗りつぶしました。このセルは「?茶」の対象です。任意の一文字の条件にあてはまります。
しかし、ほかにもウーロン茶やほうじ茶、ジャスミン茶は集計していません。これは任意の一文字という条件から外れるからですね。
?は任意の一文字という場合には活用できそうですが、複数文字ができないので個人的には*(アスタリスク)をワイルドカードで多用していますね。
まとめ
Google スプレッドシートのワイルドカード機能は、データ管理の強力な味方です。「*」といった特殊文字を活用することで、柔軟な検索やフィルタリングが可能になります。
特に大量のデータを扱う場合、その威力を発揮します。例えば、製品コードの一部しか分からない場合や、特定のパターンを持つデータを抽出したい場合に非常に便利です。
また、COUNTIF関数と組み合わせることで、条件に合致するデータの数を簡単に集計できます。ワイルドカードの使い方をマスターすれば、データ分析の効率が大幅に向上するでしょう。
日々の業務で遭遇する様々なデータ処理の課題に対して、ワイルドカードは柔軟な解決策を提供してくれます。
ぜひ、この機能を積極的に活用し、より効率的なデータ管理を実現してください。
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